0311再起動 君たちに東日本大震災後の世界を託す

本を読むだけでは、本当に理解した事にならないのではないか。

そう思って読書感想文なるものを書こうと思いました。
第1段はこの本。
0311再起動 君たちに東日本大震災後の世界を託す
堀江貴文

徳間書店

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あの、ライブドアの元社長、ホリエモンこと堀江貴文さんの本です。

余談ですが、私、この社長好きなんです。
発言こそ過激ですが、間違った事は言っていない。
誤解されがちなのですが、この社長も本質的には、金銭的な充足よりも、気持ちの充足を求めているのです。
余談はさておき、この本は3.11東日本大震災から、最高裁への上告を棄却されて収監されるまでの間に書いた本です。
3.11後の日本、Twitterなどのソーシャルメディアの力、そして、生き方に至るまで幅広く書かれています。
3.11、この日が無ければ、日本はもう少しマシな国だったのかもしれません。ところが、この大震災によって露呈したのは、日本という国の脆さ、肥大化した政府、ソーシャルメディアの力です。
日本という国の社会保障は成長ありきの社会保障である。
確かに、成長過程においては、キャッシュフローと言うのは増加して行く一方であり、今借金をしても確実に返して行ける。
例えば、家を買うというのは大きな買い物です。
20代で家を建てようと思うと、20代の年収ではとても買えません。
ところが、ローンで買うと言うのは将来のキャッシュを今使っていると言う事。
ここで、大切なのは将来のキャッシュがあると言う事。
年収は毎年確実に増え、定年まで勤め上げるという、世界で唯一成功した社会主義国であるからこそ実現出来るのです。
ところが、今の日本は後退国に入りつつあります。
つまり、今までの借金を払って行く事は難しくなっています。

その最たる例が、年金です。現役世代の年金額は、元本割れが確実になっています。
元本割れが確実な「投資」こんなむちゃくちゃな資産運用は、一般では絶対に通用しません。

また、5月の時点でははっきりしていなかった、原発事故の処理についても言及しています。
原発周辺地域の除染は難しい。
とても長い時間がかかり、疲弊感を強めるだけである。
これは、富山県民にはよく判ります。富山県の歴史に「イタイイタイ病」があります。http://ja.wikipedia.org/wiki/イタイイタイ病

このイタイイタイ病の原因物質となったカドミウムに汚染された土地は、今では表土の入れ替え等によって、そのほとんどで米の耕作が再開されています。
しかし、その工程において、農地が住宅地に転用されました。(その結果、婦中町は富山市のベッドタウンとしての性格を強めて行きました)
また、長い間、食品衛生法の規格を満たさない米は、政府が非食用米として買い上げし、糊の原材料となっていました。
私の家は農家です。
食用とならないのを判りながら米を栽培すると言うのは、どのような気持ちなのでしょうか?自分で作った米を食べる事も出来ません。
確かに、金銭的な保証をうける事は出来ます。でも、それで心は満たされるのでしょうか?
堀江氏は、この本の中で、福島第一原発周辺を宇宙港として開発する事を提案しています。ロケットの打ち上げの際には、とてつもない騒音(時にガラスが割れるくらいの)が発生します。
人がいない地域が望ましいのです。
残念ながら日本にはそのような土地がありません。
宇宙港には、多くのベンチャーが集まり、しのぎを削ります。
その利益で原発事故の処理を行い、なおかつ、部品のサプライチェーンを東北におく事で、日本の高度な技術を生かす事も出来ます。
将来、宇宙開発は、政府や大企業が行うものでは無く、マイクロサテライトの様な小さな衛星、個人の手で打ち上げられる日が来るのです。
どうでしょう?同じ夢物語なら、政府の出している計画よりも実現可能性が高く、国民の負担も少ない。
色々書いてきましたが、本の最後には瀬戸内寂聴さんとの対談が載っています。
この対談だけでも本を買う価値があると思います。

東京大学の学生は、無料で病院に行けるらしい。

先日、東京大学へお邪魔した時に聞いた話です。

正確には、診察料が掛からないらしいですね。
薬代とか検査料は掛かるみたい。

学生にとっては勉学が仕事。
それに集中出来なくなる要因は排除したい。
そうなると無料なのも納得出来ます。

東京大学ってとんでもない大学です。

大学って所には仕事以外では行った事がないのですが、
東京大学ってのは別格だと感じてしまいます。
例えば敷地面積。
東京大学の施設全てを合わせた面積は、日本の国土の0.1%になるらしいです。
(演習林って言うカラクリはあります)
正確な面積は判りませんでしたが、東京のど真ん中に、新宿中央公園の2~3倍の(富山県民ベースで言えば、常願寺公園より大きい)キャンパスがあるのです(本郷キャンパスのみ)。
それ以外にも植物園や、駒場キャンパスももちろん。
(固定資産税がいくらになるのだろう?って思った自分は小さい人間です)

学生数は合計3万人弱。
しかも、大学よりも、大学院の方が学生数が大きく、
さらに本郷キャンパスにいるのは3年生以上です。
ビルみたいな建物がいくつもあります。

思うに、この大学の強さって、外部から得られるお金にあると思うんです。
あるいは、大学そのものが生み出せるお金と言うか。

考えてみると、日本って少子高齢化してるんです。
大学にしても、専門学校にしても、全入時代がやってきています。
そうなると、大学が学生に、お金を払ってきてもらう時代が来るんじゃないでしょうか?

学校でしか出来ない、潤沢な資金力や、研究設備、学生さんなどの大学の資産を企業に利用して貰うことで、利益を得る事もありだとは思います(ただし、倫理的な規則は必要です)
あるいは、京都大学なんかでは、IPS細胞関連の特許専門部署が立ち上がったという話を聞きました。

それは、専門学校にとっても無縁ではありません。
別に学費を「無料にすべし」と言う事ではなく、
営業して、仕事を取って「企業の事業を圧迫しろ」と言う事でもないです。
第一プロ論との整合性が取れなくなるので、やらない方が良いです。

例えば、資格取得のための勉強会の開催でも、
新入社員教育でも、お金を生み出す方法は沢山あります。
あるいは、場所貸しでも良いんじゃないでしょうか?

矛盾と先生。

さて、困った事になっています。

自分の気持ちがわからない。
今、母校が教職員を募集しています。

最初は、自分の現場経験の無さが申し訳なく、お断りしてたんですが、
学校って先生が一方的に教える場でしょうか?

スキー学校のインストラクターをやっている私としては、
研修で教わっている時よりも、
生徒さんに教えている時の方が、自分の成長が感じられます。
(いや、ホントはダメですよ。でも、偉い先生方も例外無く言われる事です)

現場経験だけじゃなくて、色々やってきた事が生きるんじゃ無いかなとも思います。
制作も技術も。
座学も実技も。どっちも、少しずつやってるんです。

今の先生方を見た時に、確かに「若返り」のタイミングが来ているんだと感じます。
やっぱり、会社的な組織である以上、年齢と役職はだいたい連動します。
優秀な教員の先生が、管理職へ、別部署へ異動されます。
結果的に、グループ校や入学相談と行った部門へ人間が流出して、一時期よりも手薄観があります。

そして、大学がその典型的な例だと思うのですが、学校の役割も、教育機関である以上に、研究機関となって行くべきなのかなとも思います。
エンジニアとしては、研究と言うか、フィールドワークで学べる場でもあるのです。

母校は自慢じゃないですが、機材が充実してます。
(出来れば学食も充実させて欲しかったけど…)
そこら辺の音響屋さんよりも充実してます。

私が思うに、学校もビジネスです。
特に専門学校は思いっきり、ニッチな市場を狙って行っています。

確かに生徒さんから授業料を頂いて経営して行くのも手ですが、
例えば、今、現役でやってる人向けに開講出来る気はします。
別に音響の事だけじゃ無くても、学ぶべき事って多いと思うんです。
そういった、卒業生だけじゃない、ニッチなところに向けて動いてみると、反応があると思うんです。

また、客観性を持ってコンサルティングする事も出来ると思います。
例えば設備投資計画(機材購入)、機材開発、広告のデザイン、広告方法など
学校の持っている資源を活用する事で、もっと展開が出来るんじゃないでしょうか?

そう考えて行くと、少し起業は遅くなるけど、一度、情報の集まる東京で仕事をするのも手かなと思いました。