【82日目】CHANGE

元製造業の性なのか・・・製造業って毎日同じように同じことをしているつもりだけど、機械の調子なんかもあって、決して同じ数字が出なかったりする。意外と揺らぎの大きい世界なのだ。その揺らぎを規格で許容範囲を決めて、基準に適合するのか適合しないのかを判断するわけなのですが・・・撮影も一緒。特に今のデジタル一眼は内部に画像処理エンジンを介在する分だけ、読みにくい部分が多い。それでなくてもストロボの自動調光なんて、ものすごく曖昧なのに(主要被写体の検出精度が・・・orz・・・なことは良くある)

写真ってロジカルに組み立てれば、誰が撮っても同じ結果になるはず。触るパラメーターなんて、いくつかしかない。逆に言えば適切なパラメーターを見つければ、これほどコントロールしやすいものもない。でも、今の画像処理エンジンは強力で、人間業じゃ追いつけない速度で演算してくれるし、メーカーの努力もあって確実に進歩をしている。むしろ画像処理エンジンのバージョンが違うと、色温度やストロボ調光などいろいろと「オート」に頼らざるをえない面で、面倒だから、メイン機とサブ機は同じバージョンじゃないとつらい。

そんなオートの部分で、今週末の撮影で試したのが、「オートライティングオプティマイザー(ALO)」DIGIC4まではM(マニュアル露出)時にはオートライティングオプティマイザーが働かないようになってたけど、DIGIC5以降はMモードでもON/OFFできるようになった。なぜこの機能を試したのか・・・というと、デジタルカメラの撮像素子~画像エンジンまでは12ビットまたは14ビットの階調で処理を出来るけど、JPEGに書き出すと途端に8ビットになる。たかが6ビット。でも、階調にするとダイナミックレンジが途端に狭くなってしまう。センサーの性能を生かしきれない事態になる。もちろん、RAWで撮ればそんな心配はない。実際直受けなら、

RAWで撮影 ⇒ DPPで16ビットTIFFに書き出し(DLOやALO、ピクチャースタイル、ノイズ除去など全部適用した上でTIFFにするという良いとこ取りな作戦) ⇒ Lightroomでセレクト・編集 ⇒ 納品用JPEGへ

という事をやってるから、今のところ直受け件数が少ないからこの方法が出来る。とにかくPCのいろんなスペックとデータ保管用のストレージが要求される。

だけど、クライアント様指定で、どうしてもJPEG撮って出しになるところもある。

IMG_0080 Canon EOS 6D (63mm, f/5.6, 1/400 sec, ISO200)

この写真は先日京都で撮影したRAWを現像したもの。本来、こういう風に撮ると、建物が適正なら、空は真っ白、空が適正(というか青ければ)、手前の葉っぱや建物は真っ黒になる。だけど、RAW現像で微調整したからこういう画作りも出来た。iPhoneで言うところのHDRに近いものだけど、HDRが3回シャッターを切る(動き物は出来ない)のに対して、これだとシャッター1回。要はハイライトを落として、シャドーを持ち上げてるだけなんだけど、コレを自動でやっていただこうという事でALOを試してみたのだ。

賛否両論ある上で言うと、十分アリ。というか、ちゃんと人間の見ている状況に近づいた感じになる。

ホントに小さなことなんだけど、CHANGEしていくって大切。そう気付いた撮影でした。

2015年10月18日 kaneyan 未分類 No Comments

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