ホーキング、宇宙と人間を語る

車椅子の物理学者として知られる、スティーヴン・ホーキング。

ホーキング博士の本の面白いところは、数式を一切用いてないところ。
だから、物理の本っぽくは無いのです。

ホーキング、宇宙と人間を語る
スティーヴン ホーキング レナード ムロディナウ
エクスナレッジ
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物理の究極の目的は、この世の理を解き明かす事。
つまり、言い換えるなら、過去を知り、未来を予知する事が究極の目的である。

この本を読んでいて思った事は、

物理は究極的に哲学であると言う事。
そして、驚くほどに物理が人間味に溢れているという事。

例えば、アインシュタインは相対性理論という理論を完成させた人物ではありますが、
量子論について言えば「神はサイコロを振らない」という否定的な立場を取り続けました。
全ては「E=mc^2」という式で表される。
量子論では、確定的な未来は存在せず、確率論となる。
これがアインシュタインにとっては、受入難い物だった。

また、この本でも触れられている、「宇宙の始まり」についての理論においても、
現在の宇宙を形作るのに神は不要であるという説が述べられています。
自分たちの住んでいる宇宙以外にも複数の宇宙が誕生しているというのがその理由で、
それらの宇宙においては、それぞれ独自の物理法則が成り立っている「らしい」。
つまり、自分たちの生きているこの宇宙は、量子論的な確率の中で誕生した「安定した」宇宙モデルの1つであり、
神が手を下さなくても、自然に発生したのではないか。

この理論は、アメリカで出版された直後に大きな議論を巻き起こしたらしく、
と言うのも、多くの宗教では「神」が宇宙を作ったと信じられているのがその理由。

確かに、「神様」を信じている人にとっては、到底納得出来ない結論ですよね。

どうでしょう?
物理の歴史をひも解いて行くと「こんなハズはない」という人間臭い部分が、
実を結んでいることが多々あります。
そもそも、物理とは仮説の積み重ねなのです。

このホーキング博士も多くの仮説を唱えていますが、証明されたものは少ない。
計算は合っていても、物理現象として観測されない。
つまり、ノーベル賞から最も遠い物理学者でもあります。

お固くて、難しい数式ばっかりという物理のイメージが変わります。
物理って面白いなって思いませんか?

2011年11月13日 kaneyan 読書 No Comments

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